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THE VOICE OF CULTURE
#01 Keeenue / Artist,Painter
アーティストやクリエイターたちとのコラボレーションや密な関わりは、クリエイティブに真摯に向き合うことができる、特別で大切な時間です。彼らの前向きなプライドやメンタリティに共感し、声に耳を傾けること。それを多くの人に届けることで、WIND AND SEAは、常に進化をしています。
#01は、アーティスト、ペインターのKeeenue。

作品を見てもらわなければ

アーティストは意味がない。

私は色で惹きつける。

もともと自宅とアトリエを兼用していたのですが、作品のボリュームも増えて手狭になり、昨年の夏くらいに、茅ヶ崎の自宅から車で15分くらい離れたところにあるビルに制作の拠点を移しました。
学生の頃から卒業してからの約1年だから、3年くらい田名網(敬一)先生の元で制作のアルバイトをしていました。大学はグラフィックデザイン科で、まわりは広告代理店やデザイン会社などの道に進む人が多かったのですが、私は自分の作品を作ってきたい、とおぼろげに考えていました。アーティストになる自分をまるで想像できなかったのですが、田名網先生や他の人の手伝いなどをいろいろするうちに「アーティストとはこういうものか」って実感を得ることができ、そこから自分でも頑張りたい気持ちが芽生えました。
アーティストといっても、まずは作品をみてもらわなければ意味がない。ずっと思っていることです。世の中にこれだけ情報が溢れている中で、ぱっと人の目を惹きつけられるのは何かと考えたとき、私にとってそれは「色」と「形」です。日常でも、アートに限らずパッケージデザインや広告など、どんなものでも、好みの色の組み合わせは私の目に自然と留まりやすいです。
自分にとって気持ちがいいものをアウトプットしているつもりなので、色にも形にも直接的な感情が作品に表現されていることはないと思います。感情が入るとすれば、それはコンセプトでしょうか。その時にモヤモヤしていることをテーマに落とし込むことは多いです。あとはムカついている時とか「いい作品作ってやるから見てろよ」的なモチベーションにはつながっているかも。

世界はもっと広いのに。

そう考えるようになって

自分は前を向き始めた。

コラボレーションの時には条件やテーマを先にいただくことが多いので、それを元に自分でリサーチするのですが、自分の作品の発表する個展などの場においては、ふわふわしたままスタートし、じわじわと固まっていく感じが多いです。自分の表現したいものがピュアにできること、自分にないお題がヒントとなって進んでいくことも、違う楽しさがあります。入り口は違っても、自分がかっこいいと思えればそれでいいかな。描き方も、色を塗り始めてからその場が考えていくこともあれば、デジタルで下絵をばちばちに決め込んでトレースしていくときもある。本当に気分によります。ただ、最終形が見えないスタートは、自分でも予想できない楽しさはありますが、先に決めといた方が楽といえば楽。一回描いたのに、また違う色でどんどん上から塗り直していくことで、気持ちのいい色やかたちを出していくのは、めちゃくちゃ効率が悪いですよ。迷ったり悩んだり、ダラダラしちゃう時は、期限を決めることが大事です。締め切りを見てやばいと思ったり、人のいい作品や展示を見ると、モチベーションも高まります。
「自分の絵が売れて生活していきたい」みたいな目標をもって生きていたけど、コロナになってくらいから?日本国内でのプチアートバブルが来て「なんだこれ?」みたいな気分になって。絵を描いていても楽しくない、ずっとモヤモヤしていた時期が続いていたんです。多分、海外とかで展示をした経験があまりなかったから、日本の小さなアート界隈の中での自分のポジションみたいなものを感じてしまったのかもしれない。世界はもっと広いのに、って考え始めてから、徐々に今までを超えていこうと思えるようになりました。
ただ大きいだけでもその迫力に圧倒されるミューラルにもともと興味がありました。以前から壁画を描きたいとよく言い続けてきたこともあり、徐々にですが機会に恵まれるようになりました。ギャラリーでの展示は、それを目掛けてくる人に向けた作品になってしまうけれど、壁画は誰でも見られるのがいい。そしてその場所の雰囲気をガラッと変えたいですよね。
今回のコラボレーションでは、今までやってみたことのない手法も試すことができ、楽しく描かせていただきました。WIND AND SEAの海や水のモチーフからリサーチを進めていくうちに「タコも人間と同じように夢をみているかもしれない」っていう話を知り、デザインに落とし込みました。タコが岩にカモフラージュして表に出たり隠れたりするイメージと、夢と現実を行き来する二つの曖昧な感じを、絵の奥行きで表現しています。
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