THE IDEA BEHIND OUR PURPOSE

2018年にWIND AND SEAがスタートしたとき、私たちはあえてコンセプトを設けず、「純粋に作りたいものを作る」というシンプルな思いを大事にしてきました。アメリカンヴィンテージや雑貨を中心に扱う駒沢の小さなセレクトショップから中目黒へと拠点を移し、ストリート、サーフ、ヴィンテージといった90年代のカルチャーを起点にしたオリジナルウェアを制作。変わり続ける社会や、ファッションを取り巻く価値観と向き合いながら、自分たちの「LIKE」を表現し続けてきました。

ファッションだけでなく、そこに密接するアートやスポーツ、音楽や食といった多彩なカルチャーと交わり続けることで、そこに集まる人も、世代も、解釈も広がっていきました。この8年間でブランドは大きく成長したからこそWIND AND SEAは何なのか、何を中心に動いているのか、それをもう一度確かめる必要があるのではないか。そんな思いから、今回のパーパスムービーは始まりました。

 

カルチャーをつなぎ合わせ
ストリートウェアを持続的に進化させていく

 

2018年の設立以来、WIND AND SEAは90年代のストリートカルチャーにルーツをもちながら、過去を追いかけず、その先を見続けてきました。多様性が求められる現代において、ブランドが果たすべき役割は「文化のアップデート」。それは異なる価値観を受け入れてきた歴史と、時代と共感していく姿勢です。スポーツ、アート、音楽といった複数のカルチャーを重ね合い、WIND AND SEAは服作りの枠を超えたストリートを定義し続けていきます。

 

WIND AND SEAは自分たちのあるべき姿、目的をこう掲げました。
しかしそれはブランドを定義し直すことでも、これまで影響を受け続けたものを整理したり、取捨することでもない。むしろ、これまでの活動を振り返りながら、この広がり続けた世界の中心に、変わらず存在していたものは何だったのか、を探る作業でした。

そこで浮かび上がったのが「豊かさ」という言葉です。カルチャーはなぜ人を惹きつけるのか。好きな音楽があり、趣味があり、服がある。レコードに針を落とし、蒸らしたフィルターにコーヒーを淹れ、自分だけの愛車で人に会いに行く。そして知らない世界に出会い、それを誰かに伝えていく。デジタルを軸に生きる現代において、効率だけを基準にすれば、それはずいぶんと遠回りのライフスタイルかもしれません。しかしWIND AND SEAは、人によっては不必要に思えるもの、必要以上にかかる時間によって、「豊かさ」が育まれていくことを感じてきました。

カルチャーとは、そうやってゆっくりと輪郭を帯びていくものです。ある日突然、知らない誰かの発信によって生まれるのではなく、人と人とのコミュニケーションによって伝わり、そこからまた別の興味や出会いへとつながっていく。好きなモノを知り、触れ、所有することによって、ものを見る解像度や感受性が少しずつ増えていく。その繰り返しによって、いつも聴いていた音楽にも、一杯のコーヒーにも、一冊の写真集にも背景が立ち上がってくる。日常の見え方を少しずつ変えていくものが、ストリートカルチャーです。

そしてWIND AND SEAが考えるカルチャーは、ひとつの世界に閉じたものではありません。例えば音楽が好きな人がファッションと出会い、その服を着ることで新しいスポーツに興味を持つ。そこでまた新しい人と出会い、届かなかった曲を耳にする。一つのことを深く掘り下げていくのとは少し違い、興味が横へと連鎖していくことで生まれる人間関係を、ブランドは大切にしてきました。それは、家族や友人とシェアすることで、ジェンダーやジェネレーションを超えていき、自分にとって心地よい居場所が自然と広がっていくのです。つまり自分の世界を狭めたり、固定するものではなく、広げるためのマインドセットとも考えています。

だとすれば、私たちの考える「豊かさ」も、何かをたくさん所有し、一人で抱えることではないのでしょう。どこに住み、何を持っているかより、自分が何を好きかを知っていて、それを通じて誰かとつながり、自分の時間や生き方を選べること。充実した選択肢の中から、ひとつを選べるという行為も 「豊かさ」であると思います。

今回のムービーで描いているのも、そんな何でもない時間です。親子のように世代の離れた、国籍も違う友人同士が、新しいものと古いもの、デジタルとアナログ、消費することと蓄えていくこと。そんな対極にあるお互いを、肯定も否定もすることなく、その間を自然と行き来していく。そこに流れるどこか自然な時間や、人と人との自由な関係に、私たちが考える「豊かさ」を表現しました。

WIND AND SEAは、一枚の服が、行ったことのない場所へ出かける理由になったり、見慣れた景色が広がったり、違うものに見える力を信じています。そんな小さな変化が、その人の選択肢を増やし、楽しい人生にしてくれるかもしれない。時代とともに、カルチャーのあり方も変わります。ブランドに関わる人も、コラボレーションのパートナーも、そして着る人もきっと変わっていくでしょう。だからこそ、変わらないものを定義づけるより、変わり続けるために何を大切にしていきたいことを確かめました。

カルチャーをつなぎ合わせ
ストリートウェアを持続的に進化させていく。
これからのWIND AND SEAです。